プロムナードコンサート2024 プロムナードコンサート2024
演奏学科をあげてのビッグイベントとして日本各地で開催され、毎年注目を集める「大阪芸術大学プロムナードコンサート」。2024年は日本有数のコンサートホール「Bunkamura オーチャードホール」での東京公演から幕を開け、大阪と名古屋を巡演。演奏学科の学生とプロ音楽家の教員が共演し、真夏の暑さに負けない熱気あふれる演奏を披露しました。
「プロムナードコンサート2024」は、8月18日の東京公演(Bunkamura オーチャードホール)、22日の大阪公演オーケストラステージ(フェスティバルホール)、26日の名古屋公演(愛知県芸術劇場大ホール)、27日の大阪公演ポップスステージ(Zepp Namba)と、それぞれ名だたる会場で実施。各公演とも多くのお客様が来場し、学生たちの熱演に盛大な喝采が起こりました。
「音楽の殿堂」で繰り広げたオーケストラステージ
大阪でのオーケストラステージが開催されたのは、「天から音が降り注ぐ」と言われるほど優れた音響特性を誇るフェスティバルホールです。トップバッターを務めたのは演奏学科ポピュラー音楽コースと大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科ポピュラー音楽コースの1年生たち。ダンスも交えたゴスペルコーラスで、パワフルにコンサートの幕開けを飾りました。
2曲目からは、演奏学科クラシック各コースの学生を中心とする大阪芸術大学管弦楽団が登場。国際的なマエストロである演奏学科教授の大友直人先生が指揮を務め、まずは「映画『E.T.』より“フライング・テーマ”」で、ホールいっぱいに華やかな音色を響かせました。
続いて、ソプラノ歌手で演奏学科准教授の小林沙羅先生、ヴァイオリニストで演奏学科教授の川井郁子先生とともに、数々の美しい楽曲を演奏。大阪芸術大学混声合唱団が心に沁みる合唱曲「鷗」を高らかに歌い上げ、さらにピアニストで演奏学科教授の熊本マリ先生が出演するピアノ協奏曲が、満席の聴衆を魅了しました。
後半は、いずれもピアニストで演奏学科教授の仲道祐子先生と今川裕代先生が共演するピアノ2台の協奏曲からスタートしました。「globe メドレー」では、90年代後半を代表する大ヒット曲をオーケストラ×合唱でアレンジ。globeのメンバーである演奏学科客員教授のマーク・パンサー先生がラップで参加する、ここでしか見ることのできないスペシャルなステージとなり、会場は大いに沸き立ちます。そしてクラシックの名曲「組曲『惑星』より“木星”」の誰もが知るメロディがホールを包み込み、感動のフィナーレとなりました。
コンサートをプロデュースした演奏学科長・教授の三原剛先生は、「今年のテーマは“絆”です。宇宙と人との出会い、戦後に自由を得た若者たちへの想い、ピアニストの先生お二人のつながり、そして今回のハイライトである『globe メドレー』ではオーケストラとラップのコラボレーションと、様々な絆を意識して選曲しました」と説明。「今回は大阪芸術大学の教員と学生のみで、ガラコンサートのように豪華なプログラムが実現しました。また昨年はサントリーホール、今年はオーチャードホールと、東京の2大ホールと言われる会場で公演を実施できたのは、学生にとって貴重な学び。この経験を力にして、卒業後もこうした名ホールに戻ってきて演奏できるよう、研鑽してほしいですね」と学生たちにエールを贈りました。
日本屈指の音響照明を誇るライブハウスでのポップスステージ
プロムナードコンサート2024の締めくくりとなった大阪公演ポップスステージは、関西最大級のライブハウス、Zepp Nambaで開催。演奏学科ポピュラー音楽コースと大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科ポピュラー音楽コースの学生たちが出演しました。
オープニングは、ポピュラー音楽コース1年生全員が歌って踊るゴスペル曲。2曲目からは、オーディションで選出された学生バンドが続々と登場しました。リーダーとなる学生が自ら選曲し、メンバーを集めて練習日程を組み、衣装や振付けも考えるなど、セルフプロデュースしたパフォーマンスを繰り広げます。
爽やかな夏ソング、ラップが利いたヒップホップ、バラードやハードロック、大人数バンドによるジャズナンバーなど幅広いジャンルの楽曲を、プロスタッフによる音響や照明が華やかに引き立てました。
中でも注目を集めたのは「マーク・パンサー コラボステージ」です。ミリオンヒットを連発した伝説的ユニット「globe」のメンバーであり、現在も幅広く活躍するマーク・パンサー先生が、学生バンドと共演。一世を風靡した名曲3曲を披露し、会場全体が一つになって盛り上がりました。
当日は多くのお客様が訪れ、スタンディング席や2階席も含めて会場はほぼいっぱいに。MCを務めた演奏学科教授の森川美穂先生と出演者とのトークから、各バンドのこだわりや意気込みが伝わり、さらに観客の心を揺さぶります。学生たちの情熱がほとばしったステージに、会場からは惜しみない拍手と歓声が上がりました。
2台ピアノによる協奏曲は私にとって初めての機会でしたが、仲道祐子先生とは大学のレッスン室が隣同士で気心も知れており、充実したリハーサルを重ねることができました。ソロの協奏曲とは違った魅力、プーランクならではの軽快さやユーモア、華やかさを追求しつつ、大友直人先生の素晴らしい指揮のもとオーケストラと一体になったアンサンブルができ、お客様も心地良く聴いてくださっているのが伝わってきました。
プロムナードコンサートは、このような一流ホールで教員と学生が共演し、ともに成長していける得がたい学びの場です。学生の熱気と教員の経験や情熱から生まれる化学反応も他のコンサートにはない見所の一つだと思います。「日頃教わっている先生がどんな演奏をするのか」を教え子に見られるプレッシャーもあるのですが、私たち教員がある意味命がけで演奏に取り組んでいる姿から、何か受け取ってもらえたら嬉しいですね。
音楽を学ぶのは、ただ技術を身につけるのではなく、人間としてどう生きていくのかを探求することでもあります。途中で壁にぶつかって傷ついたとしても、それは自分という原石を磨いていくプロセス。自分の中のベストな輝きをめざしてそれぞれの歩幅で歩んでいく道のりです。私も音楽に情熱を燃やし続け、試行錯誤しながら、学生の皆さんや次世代を担う子どもたちとともに探求し続けていきたいと思っています。活力溢れる大阪芸術大学で一緒に音楽への愛を育んでいきましょう。
クラシックステージの「globe メドレー」は、オーケストラと合唱にラップが融合するという刺激的なプログラム。僕自身今までクラシック音楽とはあまり接点がなく、今回初めてその世界を堪能したのですが、編曲も演奏も本当に素晴らしかったです。生の声がたくさん重なる合唱のパワーを背中に感じながらラップでパフォーマンスするのは、今までにない新鮮な体験でしたね。東京公演はちょうどglobeメンバーのKEIKOの誕生日にあたり、特別な感慨もありました。
ポップスステージの「コラボステージ」では、学生たちはそれぞれ曲を作り込み、仕上げも完璧でした。Zepp Nambaのハイクオリティな音響や照明演出の中、バンドもヴォーカルもみんなしっかりとパフォーマンスできていて、僕自身もすごく楽しめました。でももう少し遊びや型破りな所があっても良かったかな。ポップスの世界でアーティストとして羽ばたくには、自己主張が不可欠。どうやったら自分の持ち味を最大限にアピールできるか、それを常に考えてほしいですね。
大学ではDTMの授業を担当し、音楽理論をはじめglobe時代から積み重ねてきた土台の部分を伝えるとともに、学生との作品制作も行っています。曲作りの次に行うべきアクション、今後AIとどう付き合っていくかなど、業界の最前線に関わる内容を盛り込み、僕にオファーが来たCMの音楽を一緒に考えたりすることも。大阪芸術大学はいろんな刺激に富んだ楽しい場所なので、将来音楽で食べていきたい人に役立つヒントもたくさんあると思いますよ。
今回のプロムナードコンサートでは、ラストの「木星」で第一トランペットを担当。自分のソロパートで華やかな音を会場いっぱいに響かせたいと思って頑張りました。一流ホールの満員のお客様の前で、この名曲を演奏できて嬉しかったです。昨年の東京公演のサントリーホールも素晴らしい会場でしたが、今年のオーチャードホールはさらに天井が高く、舞台上と客席に届く音のタイムラグの調整方法など、演奏して初めてわかることがたくさんありました。またフェスティバルホールはこれまで何度も演奏してきて、「ホームに帰ってきた」と思えるほど。在学中に本当に贅沢な演奏経験を積ませてもらえたと思います。
演奏学科では4年間を通じて週1回のマンツーマンの実技レッスンがあり、個々のレベルを着実に上げていくことができます。学内外での演奏機会も多く、私もオーディションを経て発表会でトランペット協奏曲のソリストを2度も務めるなど、思い描いた以上の体験ができました。上達度や将来について悩んだ時期もあったのですが、努力を続けていればちゃんと成果につながります。「こんな優しい音が出せるようになりたい」と憧れて入学した橋爪伴之先生(演奏学科教授)の音色に少しでも近づけるよう、これからもトランペット奏者として成長し続けていきたいです。
合唱曲「鷗」は、戦争と若者たちへの想いが込められた三好達治の詩に、作曲家の木下牧子先生がメロディを付けた楽曲です。7月に木下先生の特別講義が行われ、作曲家ご本人に合唱を聴いていただく機会があり、その時の学びをふまえて、ただ歌い上げるのではなく歌詞を大切に届けることを意識して歌いました。「globeメドレー」では、声楽とは違うポップスの歌唱法に苦心したのですが、マーク・パンサー先生と共演でき、会場も盛り上がってとても楽しかったです。
合唱は一人で歌うのとは違って、みんなでつくりあげていく充実感があります。先生のちょっとした指摘で歌ががらっと変わり、オーケストラと合わさった時の響きなど、発見や驚きも多かったです。3都市の大きなホールでたくさんのお客様を前に歌うことができ、各ホールの違いを感じられたのも勉強になりました。今までは合唱団の一員でしたが、次はソリストとしてこうした大きなステージに立ってみたいと、今後のモチベーションにもつながっています。
私は声楽家を志す一方で、吹奏楽部の顧問になりたいという気持ちもあって、教員免許取得もめざしています。大阪芸大は、自分が主体性を持ってやろうと思えばいろんなことを吸収できる場所。勇気を出してチャレンジしたら、未来がどんどん開けていくと思います。
「マーク・パンサー コラボステージ」のトップバッターとして、「Get Wild」のヴォーカルを務めました。私自身は知らなかった楽曲なのですが、両親や親戚が喜んでくれて、一番前でノリノリで見てくれたのが嬉しかったです。レジェンド的存在であるマーク先生と一緒に歌わせていただけて、とても光栄でしたね。先生はただ立っているだけでも圧倒的な存在感で、ライブを心から楽しむ姿勢も伝わってきて、やっぱりすごいなと。ステージングのアドバイスもいただき、魅せるステージってこういうことなんだと実感できました。
中学・高校では声楽をやっていましたが、ポップスを歌いたくて、4年制大学で専門的に学べるポピュラー音楽コースへ。バンドの生演奏で歌う楽しさ、メンバーが奏でる音が一つになって生まれる音楽に、毎日ときめいています。スタジオがたくさんあって練習したい時にいつでもでき、現役アーティストの先生方に何でも気軽に相談できる環境も、私にとって大きな魅力です。
卒業後は海外に留学してまず英語力をしっかり身につけ、歌やパフォーマンスも磨いて、世界に向けた音楽活動をしていきたい。アーティストとしても人間性の面でもリスペクトしているテイラー・スウィフトをロールモデルに、夢をふくらませています。
僕は80~90年代などの昔の曲が好きなので、今回「マーク・パンサー コラボステージ」でキーボードを弾くことになり、けっこう気合が入りました。3曲ともそれぞれに難しく、中でもキーボードが一番目立つ「Feel Like dance」のイントロ部分では、ドラムとシンクロさせるのに苦労しましたが、練習していくうちにどんどんいい感じの仕上がりに。本番では、マーク・パンサー先生に負けないくらい自分も目立ってやろう、会場をもっともっと盛り上げようと全力を出し切り、納得のいく演奏ができました。Zepp Nambaは音の響きも照明の雰囲気も今までに体験したことのない素晴らしさで、演奏しながら「これがあのZeppか!」と感激していました。
高校時代から作曲を続けてきて、多くの人や物事との出会いを自分の音楽に取り入れたいと思ったのが入学の理由です。実際にいろんな友人から刺激をもらえて、すごく面白いですね。将来は、作曲はもちろん歌や演奏、プロデュースなども手がけるのが目標。ポピュラー音楽コースではそのために必要なあらゆることを幅広く学べます。コンサートやイベントも多いので、在学中にいろんなバンドに積極的に参加し、自分でもバンドを組んでオリジナル曲に挑戦するなど、できるだけたくさんステージに立って実力と経験を高めたいと思っています。