Interview
大阪芸大では、文章を書き、絵を描き、写真を撮って、演技をしてと、芸術に関わるひと通りのことを体験。また、芸術の各ジャンルについて、これだけは押さえておかなければという作品に触れることもできました。こうした豊かな経験のすべてが今、私の血や肉になっています。なかでも印象的だったのが、現代美術作家を紹介するイベントの企画。芸術を世の中に送り出す仕事は、裏方とはいえ、とても大切な役割を果たしているのだと感じましたね。
脚本家であり劇作や演出も手がける倉本聰先生の活動を支える一人として、原稿の打ち込みや編集、スケジュール管理や執筆・出演依頼に対するマネジメントを行う一方で、倉本先生の私塾・富良野塾の卒業生を中心に立ち上げられた「富良野GROUP」の運営をしています。具体的には、稽古の立ち会い、チケット販売、チラシなど販促物のデザイン、劇場のもぎりや物品販売…できることすべてをやります。
劇団を成長させるのが目標。メッセージ性のある作品を世に問い、知名度を上げることも必要でしょう。どう劇団を売るか考えるのが面白いですね。これは、まさに芸術計画学科で学んだプロデュース。大阪芸大でさまざまな芸術ジャンルを体験できたことが、既成概念に縛られることなくアイデアを生み出すのに役立っていると思います。毎日、芝居が出来上がるまで間近で見ているのが楽しいです。幼いころに演劇に感動し、興味を持ちつつ、役者、脚本家、音響と決め切れず芸術計画学科に進学。寄り道はムダではありませんでした。
書籍などの編集やデザインも担当。とくに販売まで手がけた、「北の国から」の真実を綴った『獨白』(倉本聰著)は増刷するほどのヒット作になった。