Interview
いま所属している情報開発本部はゲームソフトの企画制作をする部署です。私は『マリオカート』や『ゼルダの伝説』といったシリーズ作の地形やキャラクターのデザインを担当しています。例えばキャラクターの場合、最初はプランナーと意見交換しながらラフスケッチを描き、3DCGソフトを用いてポリゴン・モデリングの作業をおこなった後にテクスチャーを付け、アニメーションにするプロセスを経て完成します。プランナーやプログラマー、サウンドスタッフともやり取りを重ねながら作っていくのですが、複数人と協力することを通じて、自分一人ではできない新しいものが生まれるのがゲーム制作でやりがいを感じるところです
ゲームは子供の頃から大好きでした。高校時代は美術部でイラストを描いていましたが、当時世間でも話題になっていたコンピュータグラフィックスへの興味がこうじて、CGも学べる情報デザインコースを選択しました。出身地は徳島なのですが、地元には美術の予備校もありませんでしたから、デッサンや平面構成は美術部の先生から指導を受けていました。
大学の4年間で励みになったのは同級生たちの存在です。学科で出題される課題も多いですし、私は教職課程を履修していたので、カリキュラムは少しハードだったのですが、ライバル視しながらもお互いを励まし、高め合える仲間がいたから成長できたのだと思います。自分も含め周囲には負けず嫌いな人が多かったですね。プレゼンテーションの授業でも、今度はこういう作品でみんなをあっと言わせてやろうといつも考えていました。競うだけでなく、共同制作で一緒に徹夜したり鍋を囲んだり、戦友と呼んでいいくらいです。卒業後8年経ちましたが、いまでも年に一回くらいは会って互いに近況報告しています
私は大学の近くに下宿していたこともあり、いま振り返ると4年間大学に入り浸っていたという印象です。施設のPCルームも大いに活用していました。就職活動はゲーム関連の企業に絞り、就職課へもよく足を運んで、卒業生のポートフォリオを見せてもらって参考にしたり、自分の課題をまとめたポートフォリオを見てもらったりと積極的に活動しました。ポートフォリオはとても大切です。それを見れば4年間やってきたことが、残酷なほどわかってしまいます。
大学は待っているだけでは何もしてくれない場所です。でも、みずからアグレッシブに動けば、還ってくるものがあるのです。動く人をサポートする体制もある。課題をこなすだけでなく、どれだけプラスαの吸収をやれるかじゃないでしょうか。あと、学校の課題にもゲーム制作にも言えることだと思うのですが、苦しいことがあっても「面白いものを作ろう」「楽しもう」と思えるかどうかが大切です。自分が楽しんで作れないと、遊んでくれる人も楽しめないと思っていますから。