Interview
美術学科では油画を専攻していましたが、作品を創るだけでなく、美術に関わる歴史や心理学、色彩学など幅広い分野を学ぶことができました。それらの知識を活かし、色彩に関わる仕事がしたいと思い、卒業後の進路として塗料メーカーを選びました。現在、橋梁やビル・住宅などの色彩設計や、カタログ・広告などのデザイン制作の業務に携わっています。
塗料は、街を機能で保護しながら、色彩で美しく快適な環境を創りだすもの。そんな塗料色彩の魅力と効果を活かして、社会に貢献していくことが私たちの目標であり、この仕事の魅力です。東京の「塗装会館」の外装塗り替えの色彩設計では、周辺の住宅環境に配慮しながら、何度もデザインパターンのシミュレーションを繰り返すなど苦労しました。しかし最後まで自分の力でやり遂げることによって、大きな達成感と自信を得ることができました。
絵の具以外に写真・映像・音楽といった、多彩なメディアを取り入れた作品づくりができたことが良かったですね。仕事では、筆で自由に描いたように色彩設計したり、いろんな素材を組み合わせたデザインを考えています。従来の枠組みにとらわれない発想ができるのも、在学中に取り組んだ経験が活きているのだと思います。
カレンダーの制作では、色の見え方の異なる方にも見やすいカラーユニバーサルデザインを導入しました。さらに、実用性重視のシンプルなデザインに、イラストレーションを掲載し装飾性をプラスした案を作成しました。新しい試みやアイデア提案は却下されることも多いですが、若手社員の使命と考え、挑戦し続けています。
「塗装会館」の色彩設計は、第14回「グッド・ペインティング・カラー」コンペに応募し、改修部門で「優秀賞」を受賞。