Interview
番組の舞台セットや衣装、小物などをデザインし、各協力企業に発注して制作することが、主な業務になります。バラエティ番組のワンコーナーのセットを考えるにしても、長くて3日、急ぎのときは30分以内にパース画と呼ばれる舞台セットのイメージ画を作成しなくてはいけません。仕事をはじめたとき、尊敬する先輩が「最初に浮かんだイメージを逃がさず、つかみとらなくてはいけない」とアドバイスをくれたのですが、本当にそうだと思います。限られた時間で作り上げるには、自分の感覚を信じて突き進む強さが必要です。大変な仕事ですが、思い描いた舞台セットが組み上げられたときは、何事にも代え難い喜びを感じます。
大阪芸大で印象深いのは、自分たちの手で学内にある、本格的な設備が整った「芸術劇場」で舞台セットを組み上げたことです。舞台芸術を学ぶ学校であっても、実寸大の舞台を組み立てられるところって、ほとんどないんです。でも、どれくらい布が大きいと、どれくらい重力がかかるかなど、体験しないと想像しにくいことって実は多くてあって、おかげで、今、舞台セットを考えるとき、この経験がとても役立っています。
できることが多いと、それだけチャンスも広がります。私自身、大学で衣装、空間、グラフィック、イラストなど、さまざまなデザインについて学んだおかげで、監督に重宝がられる場面がありました。総合芸術大学という大阪芸大の特徴を活用し、自分の可能性をぜひ広げてください。
武田さんが手がけたバラエティ番組「はねるのトびら」のテレビセット。