Interview
興味があることはとりあえず試してみるというタイプで、自分が好きなことを仕事にしたいという夢を漠然と持っていました。しかし将来のために具体的にはどんな技術を身につけたらいいかわからないという高校生活を送っていました。
そんなとき偶然Twitterを見ていたら、注目していたミュージックビデオの制作に携わった企業の方が教員を務める学科ができると知ったんです。それがアートサイエンス学科との出会い。もともと興味のあったミュージックビデオや、メディアアートをつくる技術を学べるかもしれないと思い、入学を決めました。
入学後すぐにコンピュータでの制作がはじまるのかと思っていたら、絵の具を使って絵を描くなどアナログなところから授業がスタートし、いい意味で意外でした。芸術大学ならではで、テクノロジーだけでなくアートに関しても幅広い経験ができそうだと期待感がありましたね。
その後、プログラミングの授業で初めてゲームづくりを体験。完成度を高めていく楽しさにのめり込み、「誰よりもいいものをつくってやろう」という思いで作品をブラッシュアップしていきました。また、舞台芸術学科の学生とコラボレーションして、ダンサーの背景に投影する映像の制作にも挑戦。スタッフ間でイメージを共有する難しさを体感しつつ、主役であるダンサーを引き立てる映像のアイデアなど、それまで考えたこともないような視点から制作を行えたことが印象に残っています。
卒業制作として取り組んだ、人の動きにあわせて変化する映像プログラム
バスキュールに所属している先生が、Unityというエンジンを使ったゲーム制作の授業を担当していました。そこでこのソフトの魅力に引き込まれ、もっとスキルを高めたいと思うようになったんです。同時期に、バスキュールがアルバイトを募集していると知り、応募。Webサイトや、Unityを使ったプログラムの制作に関わることができ、自分がつくったものが形になり、人へと伝わっていくことへの手応えを感じられましたね。そんなとき、正社員としての採用の話をいただき、喜んで入社を決めました。
アルバイト時代に制作に関わった、国際宇宙ステーションの軌道を予報するサービス「#きぼうを見よう」
©KIBO宇宙放送局
同じくアルバイト時代に携わった体験型アート作品「流星のクーポラ」。日本上空の流星を検知してイルミネーションとして表現する。
©Bascule Inc
アルバイト時代から引き続きさまざまなプロジェクトに関わっていますが、社員になったからには「会社の目指す方向やアイデアをプログラムで形にしていくという役割を果たしたい」という気持ちが強くなりました。今は先輩たちと一緒に仕事をしながら、ひたすら経験を積んでいるところです。
学生時代にはプログラミングだけでなく、前述したような絵の基礎や、ユーザーの気持ちを考えたモノづくりなどについても学ぶ機会がありました。就職して、多様なスキルや考え、目的を持つ人たちと働くようになったことで、あのときに学んだことすべてが大切だったのだと実感しています。