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それぞれのダンス、それぞれのスタンス。
ダンスのスタイルから見えてくる、表現へのスタンス。ダンサーTAKAHIROの身体とは何か? 写真家のハービー・山口先生がそのありさまを問う!
撮影:ハービー・山口
●はーびー・やまぐち 1950年東京都生まれ。写真家。大阪芸大写真学科客員教授。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。その間にイギリスの写真家集団「Quality Of Life」のメンバーとなり、ナショナルシアターでの写真展に参加。帰国後は、福山雅治をはじめ、ミュージシャンのCDや写真集を撮影しつつ、市井の人々を撮影し続けている。
大学時代の友人との約束が僕のダンスの基本姿勢をつくった 「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」という和歌があります。今、美しく咲いている桜を明日も眺められると思うな、という教訓が込められた言葉です。僕のダンスも同じで、散る直前の満開の桜のように、もっとも美しい状態で披露したい。そしてダンスを見る人にも最高の瞬間を見逃してほしくないんです。
そう考えるようになったのは大学2年生のとき。はじめて人前で踊ることになって、一緒に組んだ友人とチーム名を決めることになったのがきっかけでした。僕たちは、和歌の言葉の意味を忘れないように、「仇桜」というチーム名で活動をすることに。それ以来、僕はひとりになった今でも友だちとの約束を胸に踊り続けています。それはダンス以外の場でも活かされています。
たとえばレッスンではじめて出会う人に踊りを教えるときにも、一期一会だと思って最高のものを提供できるようにしています。昨日よりも今日、今日よりも明日と、つねに自分のベストを更新していく気持ちを忘れないでいたいです。