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大阪市阿倍野区にそびえる高層ビル・あべのハルカスの展望台「ハルカス 300」にて、株式会社ネイキッドとアートサイエンス学科による共同プロジェクト「NAKED CITY LIGHT FANTASIA -Osaka Future Tourism-」が開幕。今回は、2025年に大阪で開催される日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)に着想を得たプロジェクションマッピングが製作され、2023年1月13日には開幕を記念した点灯セレモニーが執り行われました。
本プロジェクトは、映像表現の最先端を走る株式会社ネイキッド(以下、ネイキッド)が、若い才能を育むために実践している「0×0=∞(ムゲンダイ)プロジェクト」の一環としてアートサイエンス学科と共同で行っているもの。2022年夏から1年生の授業で特別プログラムが組まれ、準備が進められてきました。
アートサイエンス学科とネイキッドのコラボレーションによるあべのハルカスで作品展示は、これまでにも行われてきましたが、2020年、2021年は新型コロナウイルスの感染拡大を鑑みて開催規模を縮小。今回、「NAKED CITY LIGHT FANTASIA」としては3年ぶりの開催となり、多くのお客様が見守る中で本番の日を迎えることができました。
60階の展望室で行われた点灯セレモニーでは、本プロジェクトの演出責任者であるネイキッドの川坂翔先生が登壇。「今回のプロジェクションマッピングは、観光局の方々や学生たちとディスカッションを重ねながら製作しました。万博に向け、みなさんと一緒に大阪の未来を作っていきたいと思います」と挨拶し、
大阪芸術大学副学長 塚本英邦先生や関係者の方々とアートサイエンス学科の1年生2名とともにプロジェクションマッピングの点灯スイッチをオン。イベントのスタートを華々しく飾りました。
「NAKED CITY LIGHT FANTASIA」は、一面のガラス窓にプロジェクションマッピングを投影することで、夜景と幻想的な光景が融合しているかのような空間を演出。今回のテーマである「未来の旅行体験」は、色とりどりな惑星が漂う宇宙の光景から始まり、壮大な旅の中で、新たな生命が宿る星へとたどり着く様子が展開されます。
来場者は、まず60階のエレベーターを降り、天井回廊の北東側から未来の旅行体験をスタート。同フロアの窓や床面に投影されたプロジェクションマッピングで、星がまたたく銀河や荒廃した都市など、さまざまな場所をめぐるストーリーを追いかけながら、最終目的地である58階のツインタワーと床面に投影された「森の惑星」へとたどり着きます。
ツインタワーに投影されたプロジェクションマッピングには、「006 Tree Of Life」というタイトルが付けられ、森の惑星を象徴する巨大な樹木が登場。麓から生まれる新たな生命は床面にも広がり、来場者が触れることで変化が生じ、インタラクティブ体験が楽しめる演出となっています。
コロナ禍を乗り越え、未来のアート創造へと口火を切ったアートサイエンス学科の学生たち。2025年の大阪・関西万博に向けてさまざまな取り組みが始まる中、新時代のアートを切り拓くクリエイターへと成長するための一歩として、今回の経験が大きな役割を果たすことが期待されます。
「NAKED CITY LIGHT FANTASIA -Osaka Future Tourism-」は、2023年5月28日まで、あべのハルカス展望台「ハルカス300」で開催されています。
【イベント名】
NAKED CITY LIGHT FANTASIA -Osaka Future Tourism-
【開催場所】
あべのハルカス(大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1−1−43)展望台「ハルカス300」
【開催期間】
2023年1月13日(金)~2023年5月28日(日)
【公式HP】
僕は大阪芸術大学に入学する前からネイキッドのファンで、平安神宮での「NAKEDヨルモウデ」など、製作に携わっているイベントにはよく足を運んでいました。ネイキッドの技術は、消毒用のスプレーを噴霧した手にプロジェクションマッピングを行うなど、随所に工夫が盛り込まれており、そんな技術を直接教えていただけることに魅力を感じてアートサイエンス学科への入学を決意しました。
学生とネイキッドでコラボレーションする授業があることも知っていたので、今回の「NAKED CITY LIGHT FANTASIA」も、お話を聞いてすぐにやりたいと思いました。参加メンバーは本当に個性豊かで、プロジェクションマッピングのストーリーも、みんな自信のあるアイデア持ち寄ってきたのでプレゼンテーションが本当に白熱しました。最終的に決定した「未来の旅行体験」というテーマも素晴らしく、先生がたのご協力もあって、最高の作品を作ることができたかと思います。冒頭の宇宙のシーンでは、メンバーそれぞれ担当した星があるのですが、ここはこだわりを込めた部分でもあるので、注目していただけたらうれしいです。
今後は、映像の技術をもっと勉強したいことに加え、プログラミングについても学べたらと思っています。今回の取り組みで学んだことを生かして、学生たちだけでインタラクティブアートのイベントや展示会の開催にも挑戦したいと思っています。
今回のプロジェクトでは、参加メンバー10人を3つのチームに分け、それぞれにアイデアを持ち寄ったのですが、私のチームで提案した「未来の旅行」が採用されて、非常にやりがいを感じました。このテーマは、コロナ禍で旅行も制限され、楽しいことが少なくなってしまった中、「未来の旅行なら、星や時空さえも自由に行き来できるようになるのでは?」と思い、見た人にわくわくしていただきたいという想いを込めて作りました。川坂先生にはアイデアを深めるための時間をいただき、今までにないものを作りたい一方で、たくさんのやりたいことを整理して、ストーリーの筋道を作り上げることの大切さを教えていただきました。時間をかけたことで、より魅力的な演出プランを練ることができ、達成感を感じています。
私は、未知の領域だった技術を身につけ、もともとやっていた写真と組み合わせて新しい表現に取り組みたいと思い、アートサイエンス学科に入学しました。今回のプロジェクトでも、さまざまな学びを得ることができましたが、普段の授業でもプログラミングなど、幅広いカリキュラムを体験させていただき、何が自分に向いているのか、少しずつ分かり始めてきました。この先、さらに新たなジャンルに挑戦できることも楽しみです。将来は、映像か立体か、どのような形態かはわかりませんが、人を喜ばせることができるような楽しい作品を作りたいと思っています。