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HIGH! HIGH! HIGH! 2023 HIGH! HIGH! HIGH! 2023

芸術計画学科 / イベント, プロジェクト
2024/03/14

FM802の人気番組から誕生したライブイベント「HIGH! HIGH! HIGH!」。2023年は8月9日、10日と初の2日間開催となり、大阪「なんばHatch」 で計12組のアーティストが熱い演奏を繰り広げました。芸術計画学科の学生が会場スタッフとして参加しました。エンターテインメントの魅力にあふれた現場でイベンターの仕事ぶりを間近で体感する絶好の機会となりました。

人気イベントの裏側を知る課外授業

芸術計画学科ではイベント運営のプロフェッショナルを育成するため、「プロジェクト演習」などの授業の他、学生たちが学外のイベントやプロジェクトに積極的に参加して知見を広めています。今回、学生が参加した「HIGH! HIGH! HIGH!」は、FM802の人気番組「ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-」発のイベントで、これまでにも客員教授の今江元紀先生の指導のもと、運営に携わってきました。

 今回の「HIGH! HIGH! HIGH!」への参加は課外活動にあたり、学生たちは現場で今江先生の指示を受けて行動。プロに求められる臨機応変な対応が試される機会となりました。

ステージ設備についてレクチャーを受ける学生たち

8月9日早朝、学生たちは設営準備が進む会場で今江先生と合流。ステージや客席を巡りながら音響、照明、舞台など技術スタッフの仕事について解説を受けていました。長年、ライブイベントの現場に携わっている今江先生の詳細な説明に学生たちも真剣に聞き入っていました。

ホール内を一通り回り終えるとドリンクカウンターやロビーなど、来場客がくつろぐスペースの動線を確認。場内を隅々まで見て回り、大阪のライブハウスでも屈指の広さを誇るなんばHatchの規模を体感しました。ホールに戻るとサウンドチェックが開始されており、2階席からその様子を見学。学生たちは数時間後に迫った本番に向け、期待に胸を高鳴らせていました。

イベントスタッフとして設営準備に参加

会場見学後には2チームに分かれて設営・準備作業を手伝いました。1チームは到着したばかりのイベント公式Tシャツをサイズごとに選別し、別チームは会場内の大会議室で行われている配布物の準備作業を行いました。

その後はイベント公式グッズが手に入るガチャガチャ、射的や輪投げで遊べる縁日の設置が行われ、徐々にお祭りムードが高まっていきます。なお、今回のイベントのTシャツにもデザインされているキービジュアルは、大阪芸術大学の卒業生たちによるクリエイターチーム「透明回線」が担当。

いよいよ本番。熱演を前に舞台裏の仕事も体験

開場時間になると学生たちは来場者にノベルティグッズを手渡すチームと縁日・ガチャガチャを担当するチームに分かれ、来場客とのコミュニケーションを楽しんでいました。

ホールの照明が落ちるとオープニングMCを務める落合健太郎さんが登場。イベントへの思いや、これから始まるライブへの期待を語り、会場のテンションを一気にヒートアップさせました。8月9日は帝国喫茶、Imase・ねぐせ。・にしな・サンボマスター・PEOPLE1。8月10日はTele・UNISON SQUARE GARDEN・Mr.ふぉるて・TOMOO・syudou・神はサイコロを振らない が出演し、両日ともに熱い演奏が繰り広げられました。

特別に舞台袖から本番の様子を見学
FM802ラジオDJ落合健太郎さんと学生たち

本番中は今江先生の引率により、ステージ袖やバックヤードでの作業を見学。盛り上がる会場の裏で奮闘するスタッフの仕事ぶりを熱心に見つめていました。

その後は学生たちもお目当てのアーティストのステージを観覧。2日間にわたる熱狂のステージは好評のうちに幕を閉じました。

スタッフへの指示出し、アーティストとのコミュニケーションなど、イベントのスムーズな進行のためにフル稼働する今江先生の活躍ぶりは、これ以上ないほどのお手本。イベントプロデューサーをめざす学生たちは、プロの仕事ぶりを目の当たりにしたことで、また一歩、夢に向かって歩みを進めました。

 8月17日には、FM802のラジオ番組「ROCK KIDS 802」内のコーナー「大阪芸術大学 Let's Pop Out」に今回、参加した学生の中から、出田ひなのさん、柏木優里さんが出演。当日の設営作業や舞台裏でのエピソード、芸術計画学科での取り組みなどが語られました。

収録後にFM802ラジオDJ落合健太郎さんと板東さえかさんと記念撮影
芸術計画学科 客員教授
今江 元紀 先生

「HIGH! HIGH! HIGH!」は、これまでにも芸術計画学科の学生にスタッフとして携わってきてもらいましたが、近年はコロナ禍の影響もあって会場を変更するなどイレギュラーな形での開催が続いていました。今回は4年ぶりになんばHatchに戻ってくることができ、自分にとっても原点回帰のような気持ちで臨んでいます。
学生たちに楽しいところも大変なところも含め、舞台裏の様子をくまなく知ってもらいたいというのが私の願い。現場ではスタッフの動きや会話を間近で見てもらうことにより、ライブハウスならではの会場づくりを見てもらうことができたかと思います。
芸術計画学科のプロデューサー育成という観点からも、今回のような取り組みは大いに役立つと思います。誰がどういう立ち位置で動いているかを把握するプロデューサーの視点を養い、イベントを動かす醍醐味を知ってもらいたいです。
私にとって音楽イベントは魅力的なアーティストや素晴らしい音楽を広めるための手段の1つ。開催することでどのような効果を得られるかが大きな課題となってきます。学生の中には将来、音楽イベントをプロデュースしたい人もいるかと思いますが、開催することを目的・ゴールとするのではなく、大事なのは開催後に生まれるものを意識すること。そのためには、自分に関係ないと思っているジャンルや業界にもアンテナを張り、しっかり吸収する必要があります。今はどんな情報でもすぐ手に入る世の中ですが、それゆえに欲しい情報だけを得て視野を狭めがちになっています。プロデューサーをめざす若い世代には、自分にないものと出会った時にどう対応するかというトレーニングが求められるでしょう。特に学生時代は最初から取捨選択をするのではなく、好奇心を持ってさまざまなものに出会ってほしい。そうやってさまざまな文化を吸収することで幅広い人たちに訴求するイベント作りができるかと思います。

芸術計画学科 3年
田尻 実鈴 さん

今回、初めて「HIGH!HIGH!HIGH!」に参加させていただき、自分が知り得なかったエンターテインメントの側面を、また1つ学ぶことができました。高校時代、吹奏楽部に所属していたので演者として表に立つことが多かったのですが、ロック系のイベントに関わることやライブハウスの裏側に入るのは初めての経験。舞台上から見る客席と客席から見る舞台では規模感が違うなど、これまで思い描いていたライブハウスのイメージとの違いが分かったのも大きな収穫でした。会場では舞台監督やプロデューサーの方々が現場の状況を何度も確認し、スムーズな開催に尽力されている姿が印象的でした。今江先生も出演者への対応や調整などサポートを徹底され、自分も将来、同じような仕事ができるようになりたいと思いました。スタッフとしての作業では開演前の準備の他、物販にも携わり、お客様の列を作ったり声掛けなどのサポート、臨機応変に対応してくれるスタッフとの連携が非常に重要であると感じました。「HIGH! HIGH! HIGH!」で得た経験を今後のプロジェクトに生かし、自分のポートフォリオをさらに充実させられるよう頑張りたいと思います。

芸術計画学科 3年
橋詰 陽 さん

私は前回の「HIGH! HIGH! HIGH!」にも参加したのですが、今回は会場がなんばHatchになって、新鮮な気持ちで臨ませていただきました。今江先生がステージツアーを行ってくださったことやさまざまな作業に参加できたことも楽しかったです。開演後は物販で缶バッジのガチャガチャ販売を担当したのですが、お客さんが目当てのアーティストが出るまで何度も挑戦され、一緒に願掛けや会話などのコミュニケーションを行ったことがとても印象に残っています。バックステージで出演者の方々のリラックスされている表情を見られるというスタッフならではの経験ができたことも嬉しかったです。MCの落合健太郎さんとは高校時代、自分が参加する舞台の宣伝を番組でさせていただいた時にお会いしたのですが、そのことを覚えてくださっていたことも感激しました。将来は今江先生のように全体を統括して指示が出せるようなポジションをめざしており、幅広い人が訪れる大規模イベントのプロデュースがしたいと思っています。それとは別に自分のルーツである大阪の小劇場を盛り上げるため、演劇のサーキットイベントを開催できればと考えています。