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プロムナードコンサート2022 プロムナードコンサート2022

演奏学科
2022/10/20

大阪芸術大学の夏の風物詩である「プロムナードコンサート」。今年は3年ぶりに入場制限のない有観客での開催となり、大阪・名古屋・広島と3都市それぞれの一流ホールを巡演しました。

大阪では2日間にわたり、北区のフェスティバルホールでオーケストラコンサート、浪速区のZepp Nambaでポップスコンサートが行われ、学生たちが大勢のお客様の前で感動のステージを披露しました。

「大阪芸術大学プロムナードコンサート」は毎年夏に行われる演奏学科の一大イベントです。コロナ禍により一昨年は休止、昨年は出演者の家族や大学関係者のみが来場する形式に。今回は3年ぶりに一般のお客様を迎え入れて開催され、学生たちもいちだんと力が入りました。

名ホールでプロと共演し熱い拍手に感動!クラシックコンサート

8月24日に行われたオーケストラコンサートには、演奏学科の学生を中心とする大阪芸術大学管弦楽団と大阪芸術大学混声合唱団が出演。クラシック音楽の殿堂と言われるフェスティバルホールで、一流の音楽家と共演し、誰もが知る名曲を中心に11曲を演奏しました。

国内外で活躍するマエストロで演奏学科教授の大友直人先生の指揮のもと、前半は雄大な吹奏楽の組曲で幕開け。ヴァイオリニストで演奏学科教授の川井郁子先生、ソプラノ歌手で演奏学科准教授の小林沙羅先生、シンガーソングライターの半﨑美子さんらプロアーティストとともに美しい楽曲の数々を披露しました。

後半は、本格的なクラシック曲で構成。ピアニストで演奏学科教授の仲道祐子先生が出演するベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」、そして4人のソリストが登場する「第九」の華やかな合唱が、聴衆を魅了しました。

コンサートをプロデュースした三原剛演奏学科長は、今回のプログラムについて「世界中で大変な状況が続いている今、コロナ禍からの復活と再生、そして世界の友愛と平和をテーマに選曲・構成しました」と説明。

「プロでもなかなか立てない名ホールで演奏会を行うという、非常に贅沢な実習です。一流のホールの響きやお客様の反応をしっかりと体感し、またいつかこの舞台に戻ってきてほしい。また他学科の学生や一般のお客様にも、なじみ深い名曲をこの空間で堪能し、音楽の素晴らしさを楽しむ機会にしてもらえたら嬉しいですね」と、プロムナードコンサートの意義や学生への思いを語りました。

本公演では、大阪のヴェリタス城星学園中学校・高等学校の皆さんも合唱に参加。「本学教員が指導に出向いたり、中高生の皆さんに来ていただいたりして練習を重ね、一緒に音楽をつくっていけたのも、双方に良い経験になったと思います」

日本を代表する指揮者、大友直人先生がエネルギッシュな指揮で観客を惹き込む
ヴァイオリンの川井郁子先生とソプラノの小林沙羅先生による夢の競演も
シンガーソングライターの半﨑美子さんが心に響く自作曲を歌唱
仲道祐子先生のピアノとオーケストラが華麗に調和したベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」
フィナーレは4名のソリストやヴェリタス城聖学園中学校・高等学校の皆さんも参加したベートーヴェンの交響曲第9番「第九」

大型ライブハウスで自ら企画した演奏を披露!ポップスコンサート

8月23日に開催されたポップスコンサートは、関西を代表する大型ライブハウス、Zepp Nambaが舞台。演奏学科のポピュラー音楽コースと大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科ポピュラー音楽コースなどからオーディションで選抜されたバンドが登場しました。

選曲やバンドのメンバー構成、衣装や振付けなどもすべて自分たちでセルフプロデュースした12のユニットが、それぞれに趣向を凝らして、魅力的なパフォーマンスを披露。2020年度からスタートした3つの専攻(ミュージッククリエイター、ポピュラーコンポーザー、シンガーソングライター)で学ぶ学生たちによるオリジナル楽曲や、大編成のビッグバンドによる迫力ある演奏など、多彩なプログラムが繰り広げられました。

森川美穂先生による司会で、出演した学生アーティストとのトークも実施。バンドメンバーを選んだ理由や練習中のエピソードなども紹介されて、会場はさらに盛り上がりました。楽曲を深く掘り下げて理解し、仲間と一緒に練習を積み、大勢の観客に自分の演奏を届けた学生たち。憧れのステージでのライブを終え、技術や表現力だけでなく精神的にも一回り成長した姿を見せていました。

学生たちのパフォーマンスをプロの音響照明がより魅力的に彩る
バンドメンバーが心を一つにした迫力の演奏で観客と一体に
磨き上げてきたテクニックを大型ライブハウスで存分に披露
衣装やステージングも自らプロデュースして楽曲の世界観を表現
ジャズ、ロック、J-POPなど多様なジャンルの音楽を発信
演奏学科 教授(クラシック/ピアノ)
仲道 祐子 先生

今回、ピアニストとしてプロムナードコンサートに初めて参加しました。演奏した「皇帝」は、ベートーヴェンが残した5つのピアノ協奏曲の中でも最も華やかな曲。ドイツで音楽を学んだ私にとって大好きな作曲家の一人でもあるだけに、フェスティバルホールという素晴らしい舞台で大阪芸術大学管弦楽団の皆さんと共演できたのは、大変嬉しく光栄でした。

協奏曲では、ソリストはふだんはゲストとして招かれる立場ですが、今回は親しい仲間と一緒に音楽をつくりあげるような感覚で臨むことができました。リハーサルからゲネプロ、本番へと進むにつれ、学生たちがどんどん成長していく様子を間近で見られたのも嬉しかったですね。
このように優れたホールで本番を体験できるのは本当に貴重な学びの機会です。独特の響きと空気感の中で、いかにふだん通りに自分の演奏ができるか。本番でしか得られないものが、その後の音楽の表現をいちだんと深めてくれると思います。

大阪芸術大学は緑豊かで校舎の天井も高く開放的。スタインウェイやベーゼンドルファーなどの名器や音楽ホールも充実しており、豊かなインスピレーションを与えてくれます。音楽は一生勉強ですから、私自身もまだ修行中の身です。レッスンで心がけているのは、私のコピーではなく、それぞれの個性をいかした演奏をしてもらうこと。この恵まれた環境でともに学び、ともに音楽をつくっていきましょう。

演奏学科 教授(ポピュラー音楽/ヴォーカル)
森川 美穂 先生

今年のポップス大阪公演は、初めてZepp Nambaでの開催となりました。クラシックと違い、ポピュラー音楽ではマイクやスピーカー等を使用するため、ライブ専用の音響照明設備が整った本格的なライブハウスで演奏することは、学生たちにとって大きな財産になります。
ライブには、音響や照明など舞台裏を支えるスペシャリストの力が欠かせません。スタッフの方々は、事前の学内リハーサルにも参加し、音響や照明のプランなど入念な準備で、各バンドの持ち味を最大限に引き出してくれました。最高のステージを実現するために、どんなスタッフがどう関わっているのかを知るのも、音楽のプロをめざす上で大切なことです。

プログラムの最初に一年生が全員で歌う恒例のゴスペルも、3年ぶりに実施できました。同じ学年が一丸となって舞台に立つ経験はかけがえのないもの。今は一人でも音楽づくりができる時代ですが、ぜひ仲間とステージをつくる喜びを味わい、つながりを広げてほしいと思います。

演奏学科の教員は現役の音楽家ばかり。演奏活動や音楽制作に携わる中で感じることを、学生たちに伝えています。私がヴォーカリストの目線で学生たちによく言うのは、お客様に何を伝えたいか、どう見せたいかを意識する大切さ。そうしたメッセージを持つことで、歌も立ち居振る舞いもすべてが変わります。先生方から多くのことを吸収し、めざす音楽を追い求めてほしいですね。

演奏学科4年生(管弦打コース/トランペット)
橋爪 亮太郎 さん

大阪芸大への入学を決めたのは、高校3年生の時にプロムナードコンサートを聴きにきたからです。演奏学科教授の橋爪伴之先生のトランペットに感動。アンコールで演奏された大阪芸術大学応援歌「いま君は美しい」に心を奪われて、「この先生に習いたい、自分もこのコンサートで演奏したい」と強く思いました。
こうした学外コンサートは、憧れの先生や一流の音楽家と最高のホールで演奏できる特別な場。ふだんの練習とはまったく違う経験ができます。ベストな演奏をするための準備や過ごし方をはじめ、本番で初めてわかることも多くあって、色々な意味で成長できたと感じます。
今年が大学生活最後のプロムナードコンサートになりましたが、自分が一番好きな「第九」で締めくくることができて、とても嬉しかったです。トランペットが目立つアンコール曲の「いま君は美しい」をカッコ良く決められたのも、大切な思い出です。
演奏学科は学年を超えた交流も多く、先輩たちにはとてもお世話になりました。僕も後輩たちにとって頼れる存在でありたいですね。クラシックを中心に色々なジャンルで活躍できるプロの音楽家をめざして、これからも努力し続けようと思います。

演奏学科2年生(声楽コース)
籔中 天音 さん

プロムナードコンサートへの出演は、昨年に続いて2度目です。前回はまだ声楽を学び始めたばかりで不安も大きく、周りの先輩方についていくのに必死でしたが、今回は自信を持って堂々と歌うことを心掛けました。最初はオペラの発声や発音に気を取られがちだったものの、先生のレッスンを受けて「歌詞の意味をしっかりと理解して、曲が持つメッセージを届けよう」と意識するようになってから、自分の中で音楽の表現が大きく変わりました。コロナ禍で誰もが不安を感じながら暮らしている今だからこそ、この演奏を通して、少しでも聴いてくださる人を勇気づけたい。そんな思いを込めて歌ったつもりです。
大勢のお客様の前で演奏する感動も味わうことができました。特に大阪公演では観客の方々の反応が良く、たくさんの拍手や「ブラボー!」という喝采をいただいて、胸がいっぱいに。3都市を巡演してみて、ホールによって音の響き方がまったく違うことを体感し、それぞれに合わせた歌唱をしなければいけないと理解できたのも大きな学びになりました。
将来の目標は音楽の教師です。歌やピアノなど必要な技術をしっかりと身に付け、このステージでさらに深まった音楽への気持ちを大切に、夢に向かって頑張りたいです。

演奏学科3年生(ポピュラー音楽コース/ヴォーカル専攻)
三好 咲弥花 さん

オープンキャンパスやコンサートで歌う先輩たちの姿に憧れ、自分もこんな風にステージに立ちたいと夢見て練習を積んできました。実はライブで歌う方が好きなのですが、録音音源で行われるオーディションに合格するため、一時は正確な音程など技術的な面にとらわれすぎていたことも。でもヴォーカルの先生のアドバイスをきっかけに、自分自身が楽しむこと、聴き手のために歌うことが大切なんだと再発見。それから歌うことがもっと楽しくなって、弱点を強化しながら、いかに自分の強みをアピールするか考えるようになりました。
今回のコンサートは、息継ぎが少なく難しい楽曲にチャレンジし、衣装や振付けなどのステージングにも力を入れました。本番ではとても緊張しましたが、「お客様にもステージに立っているような感覚で楽しんでほしい」という気持ちを込めて歌えたと思います。演奏中のバンドメンバーの楽しそうな表情にも力をもらって、歌い終えた時の達成感がさらに大きくなりました。
演奏学科では、学生のうちから大きな舞台に立つ機会がたくさんあり、スタジオなどプロ仕様の施設も整って、とことん音楽に没頭できます。さらに実力をつけ、次のコンサートではまたがらっと違う曲や歌い方、ステージングで、新しい自分を魅せたいです。

演奏学科3年生(ポピュラー音楽コース/ヴォーカル専攻)
三戸 浩輝 さん

今回のプロムナードコンサートの「トリ」として、14名という大編成のバンドでメインヴォーカルを務めました。これまで学外のコンサートでは、コーラスでの参加はあっても、自分が企画するバンドで出演したのは初めて。今回の舞台がZepp Nambaと知って、いつも以上に気合が入り、選曲からメンバー選びまでとことんこだわってオーディションに挑戦しました。
バンドは1年生から4年生まで均等に入るように構成。本番まで練習を重ね、メンバーの絆を深めて、当日は最高のパフォーマンスができました。ずっと二人三脚で頑張ってきたヴォーカルの先輩をはじめ、大好きな仲間たちと一緒にステージに立てたのは本当に嬉しかったです。本番を終えた今、やり切ったという充実感とともに、終わってしまった寂しさも感じています。
高校まで野球一筋だった僕ですが、野球以上に好きな音楽の道に進もうと演奏学科へ。それまでは自分の好きなように歌ってきたけれど、「聴く人に伝える」という歌の本質を学んで、音楽に向き合う姿勢も変わりました。みんなで力を合わせて一つのことに取り組む楽しさは、野球も音楽も共通だと感じます。これからも自分らしい音楽を追求し続けていきたいと思っています。