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2022年12月14日、大阪の冬を彩る風物詩「大阪・光の饗宴」のコアプログラム「OSAKA光のルネサンス2022」(以下、光のルネサンス)が、中之島エリアで開催されました。
2017年から6年連続で参加している芸術計画学科は、会場を前回の大阪市中央公会堂前からバラ園に戻し、「未来へはばたく光のカーニバル」と題したプログラムを開催。これまでにない大規模な展示で来場者を魅了しました。
前回の「光のルネサンス」では、例年とは異なり、大阪市中央公会堂前を展示会場としたことで、新たな学びや発見が数多く得られました。今回は、再び前々回の会場と同じイベント会場東側バラ園へと戻ってきましたが、コンセプトを1から見直し、バラ園全体にバルーンのオブジェを設置して、来場者が園内を巡り歩くという大規模なプログラムが提案されました。
スタジオ演習を何度も繰り返し、校内でのシミュレーションを重ねてきた学生たち。現地での段取りもよどみなくこなし、例年になく短い時間でバルーンの設置が完了しました。今回、岡本太郎の色彩に着想を得た高さ5mの「命根樹立」が3基、その隙間を縫うように照明をあてることで色とりどりのバラが浮かび上がる「Delight」というドーム型の作品が配置され、入場口では1年生が考案した蝶の大型バルーンが来場者を出迎えるという迫力満点な展示に。設置を終えた学生たちも、その圧巻の光景に見とれていました。
過去5回の経験をふまえて運営オペレーションも前回よりも格段にレベルアップ。警備マニュアルの伝達やスムーズな進行管理が徹底された他、バルーンの倒壊を未然に防ぐための風速計が設置されるなど、安全面への配慮も強化がはかられました。
17時に観覧が開始されると、待ちかねた来場者が、次々と入場。入場口に設置された蝶のオブジェは、その大きさから注目を集め、写真に収める人が多く見られました。今回、新たな試みとして、入場口で流れていた音楽が観覧コースに入ると別の音楽に切り替わる音響システムを採用。来場者が街の喧騒から、自然と展示の世界へと入り込める導線を構築しました。
園内の巡回コースでは、大小さまざまなバルーンを至近距離で見ることができ、来場者は時おり足を止めては、鮮やかな色彩や、空に向かってそびえる『命根樹立』の迫力に見入っていました。加えて「未来へはばたく光のカーニバル」というサブタイトルが示すように、バルーン両脇に設置した照明が石の回廊をライン状に染め上げ、さまざま色に切り替わる光で来場者を楽しませました。
今回の「光のルネサンス」では、企画が立案された段階から、例年以上に華やかな見せ方をするという方向性が示され、学生たちによって具体的なアイデアが固められました。複数のプログラムデータを組み合わせ、状況を見ながら照明ブースで操作を加えることにより、生命の躍動を感じさせるような、動きのある演出を作ることができました。
「光のルネサンス」参加以来、最大規模での開催となった2022年の作品展示。運営・演出・テクニカルのすべてにおいて成長を遂げた学生たちが、次回、どのようなアプローチを展開するのか、今から期待がかかります。
1年生のときはコロナ禍のさなかで、イベントの実習もできなかったのですが、2年生で「光のルネサンス」に携わることができ、たくさんのことを学ばせていただいたので、3年生でも再び参加したいと思っていました。前回の大阪市中央公会堂前に続き、中之島バラ園も初めての現場で、下見したときから、どのように運営を行うか楽しみにしていました。時期的にバラも枯れていると思ったのですが、意外と残っていて、私たちの演出をより華やかに盛り上げてくれたように思います。
演出については音響・照明の担当者がそれぞれ考えてくれたので、私は統括のポジションで、全体の準備や進行管理を担当しました。今回の「過去の作品を派手に見せる」というコンセプトは、先生と私たち3年生で考え、全体像の把握が大変でしたが、歩いて回るからこそ、来た時と帰る時で印象が変わる、変化に飛んだ展示を作ることができました。1年生が考えた蝶の新作バルーンも、現場で膨らませたら想像以上にポップな印象で、とてもかわいかったです。照明やバルーンの色彩が豊かだったこともあり、私たちも終始、楽しみながら運営に取り組むことができました。
将来はイベント関係の仕事に就きたいと思っていますが、どのようなジャンルに向かうかは、まだ考えている最中です。在学中に芸術計画学科で学んだことが生かせるよう、自分たちの学年だけで自主イベントの開催にも挑戦したいですね。
1年生の頃から先輩方の携わるイベントをいろいろ見てきたのですが、自分がいちばん関わりたいと思ったのが「光のルネサンス」でした。私は2年生になってイベントのお話が出た時点ですぐに参加を表明し、統括ディレクターと照明スタッフを務めさせていただきました。
前回の親子クジラの展示も素晴らしかったのですが、静けさの中でじっくり鑑賞するという趣だったので、私たちはバラ園を歩きながら変化を楽しむ展示方法にシフトしました。照明については、華やかで動きのあるものという方向性になり、床を照らす塔体を使用して、バルーンを照らすだけではない見せ方を模索しました。バラ園の敷地がとても広いので、規模感を把握することと、照明の明るさの調整が苦労したポイントです。スタジオでは灯りを真っ暗にできるので、淡い光もはっきり見えるのですが、屋外では月明かりや街灯もあるため、見え方がまったく変わってきます。その違いを確認しながら何度も調整を重ね、演出プランを練り上げました。
私は中学・高校時代、吹奏楽部で表舞台に立つことが多かったのですが、裏方のお仕事にも興味が湧き、自分が好きなアーティストを支える側になりたい、その勉強ができる場所に行きたいと思って芸術計画学科への進学を決意しました。今後は、アーティストとファンの方を繋ぐような場を作ったり、普段、働いている方が休日に表現活動を行うためのサポートなどができればと思っています。