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浮世絵師の手ほどき 北斎の絵手本から 浮世絵師の手ほどき 北斎の絵手本から

図書館
2022/09/07

【展示期間】

2022(令和4)年9月9日(金)~9月30日(木)


【場所】

図書館4階展示コーナー

【概要】

形あるものを言葉に出して説明する時には、色や大きさ、丸いか四角いか、何なにに似ているなど、相手に少しでもイメージが伝わればよいと思って、ついつい余計なことまで例に出すことになり、かえって混乱することがあります。それに引き換え、絵にして見せると、たちまちにわかってもらえることがよくあります。言葉で説明するよりも絵は雄弁に語ってくれます。
江戸時代の後期にさかのぼってみると、多くの絵師たちが活躍したなかで、それを見事にやってのけ、その名が現在も世界に轟いているのは浮世絵師の葛飾北斎(1760〜1849)です。90歳まで絵筆を執り続け、さらに10年、いや5年長く生きられるなら、本物の絵描きになれると述べたと伝えられています(飯島虚心『葛飾北斎伝』)。
300人を超える弟子がいたとされますが、北斎はどのように弟子たちに絵を教えたのでしょうか。そのヒントが北斎の版本になった絵手本です。もっともよく知られているのは『北斎漫画』です。『北斎漫画』は文化11年(1814)の初編から評判を呼び、北斎が没した30年後の明治11年(1878) まで15編が出版されています。初編の序文に北斎が文化9年(1812)に名古屋にいる弟子の家に逗留した時に弟子たちの手本になるような略画を描いたとあるところから、絵手本の性格を備えていることがわかります。動植物や人物の表情など雑多な題材が集められています。名称の「漫画」とは、思いつくままに取り留めなく描いた画という意味で用いられており、現在使われているアニメやコミックとは性格が違います。『北斎漫画』を見ると発想のユニークさ、一筆書きなど表現の多彩さに目が釘付けになるようです。これに類するものが『北斎臨画』『一筆画譜』『北斎画譜』『北斎図式』などです。
今回の展示では、大阪芸術大学図書館の蔵書のなかから北斎によるこれらの絵手本を選びました。展示を通して北斎の絵画教室に参加し、ものの見方や描き方のエッセンスをつかんでみてください。