アートはもっとボーダレスに！【空気階段】 アートはもっとボーダレスに！【空気階段】

大阪芸術大学にいた鈴木もぐらと、慶應義塾大学にいた水川かたまり、どちらも大学やめ組のコンビ、空気階段。在学中のもぐらは、所属していた落研の先輩たちに影響を受けたという。

鈴木「先輩のミルクボーイさんやななまがりさんが当時から吉本（興業）のオーディションを受けていたので、芸人になる道が自分の中で現実的になり、僕の人生も決まった気がします」

鈴木は東京に戻り、水川とコンビを組んだ。空気階段はそこからずっと、コントを作り続けている。

鈴木「幼少期からテレビでコントを見ていたので、漫才よりコントに憧れがあったんですよ。当時は『M-1グランプリ』がなかったし、ダウンタウンさんやウッチャンナンチャンさんのコント番組が大人気の時代だったので」

水川「僕は、NSC（吉本興業の養成所）在学中はコントと漫才、どっちでもよかったんです。ただ、ひとつに絞りたかった。で、授業で漫才をやったら講師にめちゃくちゃ怒られて、コントではそこまで怒られなかったので、そのままコントを選んだ感じです」

その後、2021年の『キングオブコント』で優勝。現在のコントの完成形とまで言われた彼らだが、テクノロジーが加速した未来で、やってみたいコントがあるという。

鈴木「前澤（友作）社長が月に行ったくらいですから、いつかは月面とか国際宇宙ステーションでもコントができそうですよね」

水川「無重力コントとか、面白そう」

鈴木「あと、背景をプロジェクションマッピングで変えられたら、コントの幅が広がるね」

今、単独ライブをできるだけたくさんの人に見てもらえるよう、規模を大きくしていくことを念頭に、コントを磨いている最中の二人。個人的な夢を聞いてみた。

水川「自給自足ゾーンを作りたい。畑と田んぼがあって、川で魚が獲れて。北海道あたりに住みたいですね。20歳の頃に立てた計画では、もう移住している予定でした」

鈴木「僕は顔剃りが大好きなので、世界の顔剃りを巡ってみたいです。最終的には顔剃りだけ提供する店を出したい。世の中の人に、顔剃りのよさを思い出してもらいたいです」

彼らのコントの不思議なキャラクターは、その存在感に磨きをかけて、ステージとリアルがボーダレスになっていくのかもしれない。

●空気階段（くうきかいだん）

鈴木（すずき）もぐら、水川（みずかわ）かたまりにより2012年に結成。2021年、3年連続の決勝進出となった『キングオブコント』で優勝。テレビドラマや映画にも多数出演している。

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