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4年間の成果が披露された「大阪芸術大学卒業制作展2024」 4年間の成果が披露された「大阪芸術大学卒業制作展2024」

アートサイエンス学科, 美術学科, デザイン学科, 工芸学科, 写真学科, 建築学科, キャラクター造形学科, 文芸学科, 放送学科, 芸術計画学科, 舞台芸術学科, 音楽学科, 演奏学科, 初等芸術教育学科
2024/05/01

4年間の学びの集大成とも言える「大阪芸術大学卒業制作展2024」が、2024年2月11日から18日に開催されました。芸術情報センターでの優秀作品展をはじめ、広大なキャンパスでは各所で展示やイベントを実施しました。

芸術情報センター前でオープニングイベントを開催

晴れの日を迎えた受賞者たち

卒展初日となる2月11日は、学長賞や学科賞に選ばれた学生の授賞式から始まりました。芸術情報センター地下1階のAVホールに集まった受賞者たちは、塚本英邦副学長から賞状を授与されました。続く「オープニングセレモニー〜変革のプレリュード」は、エントランスに会場を移し、くす玉開きとテープカットが行われました。来場者も多く駆けつけ、演奏学科の学生によるファンファーレが鳴り響き、開会が宣言されました。

演奏学科管弦打コースによる生演奏がセレモニーを盛り上げます

「卒業制作展DEキャンパスを見てみよう!」には多くの高校生たちが来場

芸術情報センターのエントランスを抜けると、まず目につく精悍な狼の像は工芸学科で学長賞に選ばれた金属工芸コースの山田慈門さんの作品。パイプオルガンのあるアートホールには建築学科や映像学科などの作品が展示されました。展示ホールでは、美術学科の学長賞に輝いた油画コースの若林いぶきさんの「伽藍堂の哲学」をはじめ、美術学科やデザイン学科、写真学科、アートサイエンス学科などの優秀作品が並び、受賞者が来場者にむけて制作意図を説明している姿が見られました。初日は同時開催の「卒業制作展DEキャンパスを見てみよう!」と重なったこともあって、高校生や家族連れなど多くの人々で賑わいました。

山田慈門さんの立体作品「Maverick」(写真右)、若林いぶきさんの油画作品「伽藍堂の哲学」(写真中央)
優秀作品展 展示ホールの様子
優秀作品展 アートホールの様子

広大なキャンパス全体がアートに彩られる一大イベント

体育館には、4年間の学びを結実させた美術学科や工芸学科の卒業制作作品を展示
本学客員教授 妹島和世先生設計によるアートサイエンス学科棟には芸術と科学を融合させた作品が展示されました
キャラクター造形学科棟ではゲーム作品の試遊会場を展開

優秀作品展の他、キャンパス内はそれぞれの学科の作品がキャンパス内に展示されました。また、映像学科や放送学科による上映会、舞台芸術学科による展示、音楽学科、演奏学科の卒業コンサートも開催。ゲストトークショーや卒展マルシェなど、芸術計画学科を主体とする実行委員会主宰のイベントも実施されました。

6号館のTVスタジオでは、放送学科の各コースごとの学びや授業についてのトークショーが行われました
芸術劇場では演奏学科声楽コースのソロコンサートが行われました

芸術計画学科、デザイン学科の学生たちが卒業制作展をサポート

キッチンカーのグルメとフォトスポットを組み合わせた「フリーダムパーク」企画を展開

総合インフォメーションや来場者への案内など、卒業制作展催事関連の運営を担うのは、芸術計画学科の学生たちです。オープニングセレモニーやゲストトークショーなどのイベントは、企画からオペレーションまでを手掛け、日頃の成果を発揮します。4年生はもちろん、在学生などが制作した作品を販売する「卒展マルシェ〜時期到来」は12号館1階のピロティで実施。今回の新企画「フリーダムパーク」では、キッチンカーイベントを開催。また、キャラクター造形学科の校舎前ではフォトスポット企画を展開しました。ほかにも、デザイン学科の学生たちもハイパープロジェクトという授業でポスターやガイドマップ、学内のサインをデザインし、卒業制作展をサポート。様々なイベントで卒業制作展をさらに盛り上げるとともに、来場者が快適に作品を鑑賞できるよう工夫を凝らしました。

恒例のトークショーは芸術計画学科長の村上敬造教授が進行を務め、第1部は諏訪道彦教授、第2部は映像学科長の田中光敏教授がゲストとして登壇されました
卒展マルシェも多数の来場者が訪れ、大盛況となりました
デザイン学科プロダクトデザインコース 卒業生
浦川 颯太 さん

4年間学んできたプロダクトデザインのノウハウで新しいヒミツキチのカタチを作りたいと思ったきっかけは、親戚の集まりのなかで2人の従兄弟に出会い、誇らしげに見せてくれたヒミツキチ。自分たちだけのヒミツの場所に潜り込んで遊ぶ2人の表情は楽しげでイキイキとしていて、すごくいいなと思ったのが「HIMITー可能性を秘めたキットー」のアイデアの原点です。
HIMITは子どもたちの創意工夫を引き出す知育玩具としてアイデアを具現化させていきました。そのなかにも彼らのアイデアは生きています。例えば、分解して収納できること。従兄弟たちも何度かヒミツキチを作るなかで、遊ばない時には仕舞える方がいいと学んだようです。そこで僕もコンパクトに分解収納できるようにキット化することで、デザインに従兄弟たちの発想を取り入れています。実体験に基づいて制作したHIMITで学長賞を頂けたのは、すごくうれしいですね。
卒業後は製薬会社に勤めることになります。ですが、今後もプロダクトデザインのノウハウを使って、オリジナルな物づくりを続けていき、学生部門で入賞したこともあるグッドデザイン賞の大賞をめざしたいです。

学長賞に輝いた「HIMITー可能性を秘めたキットー」では様々な用途を想定したパーツを展開
カタログ販売やウェブ販売も含め、販路についても突き詰めて考えを深めていきました
写真学科 卒業生
水岡 昌史 さん

父は飛行機を専門的に撮影するカメラマンでした。自宅には父が撮影した飛行機の写真がたくさんあって、僕も物心ついた頃から飛行機の写真に夢中でした。実家は航空自衛隊の小松基地がある小松市内。それゆえ、学校が休みの日には父はよく空港へ連れて行ってくれました。初めて本物の戦闘機を目にしたときは、機体から発せられるジェットエンジンの迫力ある轟音に圧倒されました。それ以来、自分が夢中になって撮影できる被写体は戦闘機しかないと思うほどに、その魅力にはまってしまいました。
いつも無線機を携えて、撮影に行きます。管制塔とパイロットの交信を聞きながら、戦闘機がどの方角からやってくるだろうか、と推理を巡らせて撮影ポイントを決めます。撮影経験の少ない高校生の頃はすごい枚数を撮っていたものですが、大学では銀塩で撮影するコースなので、とことん頭のなかでシミュレーションして狙いすましたカットを撮るように心がけています。
卒業後は整備士として航空自衛隊に入隊します。そこで整備士として経験を積んで、各機ごとに微妙に異なる機体の癖や整備状況を把握した整備の責任者、機付長になるのが目標です。もちろん、今後も戦闘機の写真は撮り続けたいと思っています。

写真学科学長賞の「RJNK」という作品タイトルは撮影地となった航空自衛隊小松基地の空港コード
芸術計画学科 3年生
田尻 実鈴 さん

芸術計画学科及び催事班が例年担当しているオープニングセレモニーやゲストトークショー、卒展マルシェなどに加え、2023年度は新たに「フリーダムパーク」という2つのイベントが融合した企画を行いました。ひとつは20号館下のピロティーでキッチンカーを招いての飲食提供。もうひとつは、キャラクター造形学科の校舎であるお城の前で、風船などを使用した写真撮影ができるフォトスポットです。いずれも各学科にて配布していただいたステッカーの提示で特典や割引が受けられるといったイベントで、来場者の皆さんにできるだけ目的以外の学科も見ていただけるきっかけになるよう考案しました。
今回はコロナ禍が全面的に終了して初めての卒業制作展。来場者数の増加が見込まれたため、より一層スムーズにご観覧いただけるようマップを増設したり、インフォメーションの位置を変えるなどの工夫をしました。イベント企画は、企画内容を充実させることも大切ですが、その後の細やかな運営準備が重要であると考えています。広い学内で迷わないような配慮や車椅子手配の事前確認、運営マニュアルと緊急時対応マニュアルの作成など、快適に楽しんでいただくための準備が私たちの役割だと責任感を持って運営にあたることを心がけました。
芸術計画学科では卒業制作展やオープンキャンパスを始めとする多くのイベントに携われるので、座学では学べない現場の経験を積むことができます。私もこの春に4年生になりますが、ここで得た経験を生かし、仕事につなげていきたいと思っています。

11号館のエントランスでは芸術計画学科の学生たちが来場者をお出迎え
デザイン学科グラフィックデザインコース 2年生
阪田 麻維世 さん

ハイパープロジェクトの一環として卒業制作展のメインビジュアルを制作。三角形のグリッドと単純なカタチを組み合わせた、立体感と奥行きが感じられるデザインです。エレメントがシンプルなだけに、Osaka University of Artsの3つの頭文字OUAをきちんと視認してもらいつつ、騙し絵のような面白さを感じてもらえるようデザインをブラッシュアップしていくことに時間と精力を注ぎ込みました。今回、天の川通りにメインビジュアルをトリックアート仕立てで設置できたのは嬉しかったですね。メインビジュアル制作にあたって相談に乗っていただいた先生とともに、写真を撮ったのもいい思い出です。
メインビジュアルを各学科のパンフレット用にカラーバリエーションを展開していく作業も力を入れたポイントです。裏表紙のグラデーションが徐々に消えていく表現を試行錯誤しながら、各学科ごとにイメージが揃うようにきめ細やかに調整していきました。
ほかにも大型マップのデザイン制作やフライヤー、SNS用のアイコンに、芸術計画学科から依頼された卒展マルシェのポスターや立て看板、フラッグと制作物は多岐に渡ります。様々なアイテムを統一感を持ってデザインできた経験や、メンバーと協力してプロジェクトを達成できたことは今後の自分の糧になる経験だったと思います。

天の川通りにトリックアートのように出現した卒業制作展のメインビジュアル

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