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作家・瀬戸内寂聴が出家前の瀬戸内晴美時代に発表した自伝的小説の映像化に挑んだのは、若き鬼才との呼び声も高い熊切和嘉監督。卒業制作作品が高い評価を得て、ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式招待、イタリアタオルミナ国際映画祭グランプリを受賞するなど、早くから才覚を表していた名監督です。
熊切監督と同じ大阪芸大卒業の脚本家・宇治田隆史氏がこの作品で表現したのは、男女の三角関係のなかで自らのうちに潜む業に苦悩する女の姿。その鬼気迫る演出に多くの人が固唾を飲みました。
主人公・知子役には、個性派女優として頭角を現した満島ひかり。2人の男性に揺れる知子を見事に演じている。脇を固めるのはベテランの小林薫と若手の注目株・綾野剛。それぞれの味のある演技にも注目。
「女子高生がサバゲー!?」。そんなセンセーショナルなトピックで話題を集める『ステラ女学院高等科C³部』。本学卒業生のみどりとももかの原作による人気漫画のアニメ化に成功したのが、2010年に本学科を卒業した川尻将由監督です。
エアガンを持った女子高生が制服姿で走り回る姿は、萌え要素だけでなくカッコよさも内包。女性のサバゲー進出に大きく貢献していると言われています。
実写だけに留まらない本学科卒業生の活躍のフィールド。川尻将由監督はその代表者とも言える存在です。
高校の部活動でサバイバルゲームを楽しむ女子高生たちの日常を描いた本作。「萌え」×「ミリタリー」という新たなジャンルを確立させる作品のひとつとなった。ミリタリー監修には、エアガンメーカーの東京マルイが協力。ディテールにまでこだわって描かれた銃の数々は本物そっくりに仕上がっている。
これまでにない利休像を描き出したことで話題を集めた映画『利休にたずねよ』(2013年)もまた、本学科卒業生が監督を務めた作品。原作は第140回直木賞を受賞した山本兼一氏の同名小説。「茶聖」とまで称えられた至高の芸術家が恋に溺れる姿を描いた作品です。卒業生、田中光敏監督による細かい描写は、利休が切腹にいたるまでの過程を追いながら、恋に身を焦がす生身の人間としての姿を映し出すことに成功しました。
その評価は国外でも高く、『モントリオール世界映画祭』では最優秀芸術貢献賞を受賞するなど、高い注目を集めています。
恋に溺れる千利休を演じたのは歌舞伎俳優の市川海老蔵。その脇を中谷美紀や伊勢谷友介、大森南朋といった豪華な実力派俳優たちが固めた。