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映像学科特別講義
『オズランド』上映会 &小森陽一氏・安藤親広氏トークショー
映像学科特別講義『オズランド』上映会 &小森陽一氏・安藤親広氏トークショー

映像学科 / 特別講義
2018/10/13

映像化に引っ張りだこ!
映画『オズランド』原作者に学ぶ創作活動の極意

キャンパス内にある映画館で、特別ゲストを招いて旬の映画を上映する「映像学科特別講義」。2018年10月13日、公開を約2週間後に控えた映画『オズランド』が上映され、原作を手掛けた作家・小森陽一氏と、エグゼクティブプロデューサーをつとめた株式会社ロボットの安藤親広氏がトークを繰り広げました。


映像学科出身の小森氏は、大人気となった『海猿』シリーズをはじめとした漫画原案や原作、『DOG×POLICE 警視庁警備部警備第二課装備第四係』などの小説を生み出し、その多くが映像化されているヒットメーカーです。『オズランド』は2015年発表の小説『オズの世界』を原作とする、小森氏にとって9本目の映像化作品となります。

「ダメ元」だった、キャスティング秘話

物語の舞台は、小森氏が幼いころによく訪れたという熊本県の「グリーンランド」をモデルにした遊園地。思いがけず地方の遊園地に配属された主人公・波平久瑠美が、風変わりな上司や個性豊かな従業員たちに囲まれながら、さまざまな困難を乗り越えていくうちに、仕事のやりがいを見いだして成長していく様子を描きます。

主演は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインで知られる波瑠。実は小森氏、原作の執筆準備中に彼女が出演する映画を観てその存在感に魅了され、自身の作品の主人公の名前に「波」と「瑠」の二字を取り入れたとのこと。そんな経緯から、映画化に際してダメ元でご本人に出演をオファーしたところ、見事に叶ったそうです。加えて、安藤氏が「登場する人物たちに、ビジュアル的にもキャラ的にも、バランスの面白さを感じるようなデコボコさを出したかった」と、多彩な出演者たちをキャスティングした経緯について説明しました。

「頭で考えるよりまずは足!」 大学時代の思い出や制作流儀を披露

上映後は、大森一樹学科長の司会進行のもと、小森氏と安藤氏によるトークショーが行われました。小森氏は学生時代、当時の学科長・中島貞夫監督の指導を受け、ひたすらに作品づくりに励んでいたといいます。ある日、「いい女の定義とは?」をテーマに決めてドキュメンタリーを撮るにあたり、行き詰まっていると、中島監督から「歴史書を読め」との言葉が。すぐさま深夜バスで東京にある国立国会図書館まで出向いたものの、その量は膨大。監督に電話で「これを全部読んでいたら学生生活どころか一生かかりますよ!」と嘆いたところ、「お前のいまの状態がそういうことだ」と諭されました。哲学的なテーマを前にして悶々と頭で考えていても何も進まないと気づかされた小森氏はその後、湯河原の芸者を訪ねるなど、とにかくいろんな女性の話を聴いて回りました。「いちいち説明してもらえる指導方法ではなかったですが、それが良かったんだと思います」と小森氏。そんな経験談を例に、「頭で考えるよりまずは足!」「動いたら何かに出合う」「脚で書くから脚本だ」「分かった気になるのと、分かるのは違う」といった制作における自らの流儀を学生たちに語りました。

また、「100万人が観る映画とは?」という話題で盛り上がり、制作費や興行収入といったお金の話から、商品としての映画に必要なもの、テレビとの差別化を図るための映画ならではの演出、映画のラストを原作とは違うストーリーにした裏話、映画監督を夢見た学生時代から現在のキャリアに至った小森氏の心中に至るまで、赤裸々なトークが披露されました。とくに学生が興味を示していたのは、良いプロデューサーや脚本家について言及した「原作者が通った道を通ってくれる人」という小森氏の発言です。小森氏が原作執筆時に取材した内容を、映画化にあたってスタッフたちが改めて取材したことから、「新たに調べられたネタも入っていて驚きました! そういうスタッフと出会えたら幸せですね」と小森氏。第一線で活躍する大先輩の言葉や姿勢に、学生たちは多くの刺激を得ることとなりました。

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