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映像・映画・舞台 芸術活動 学生・卒業生

ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』

2023.02.27

【スケジュール】

大阪公演

2023年3月6日(月)~3月8日(水)


【場所】

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ


【公式サイト】

https://www.umegei.com/schedule/1079/


【出演】

風間杜夫:トゥフィーク(指揮者)

濱田めぐみ:ディナ


新納慎也:カーレド(トランペット・舞台芸術学科出身)

矢崎 広:イツィク

渡辺大輔:サミー


永田崇人:パピ

エリアンナ:イリス

青柳塁斗:ツェルゲル


中平良夫:シモン(クラリネット)

こがけん:電話男

岸 祐二:アヴラム


辰巳智秋:警備員

山﨑 薫:ジュリア

髙田実那 :アナ

友部柚里:サミーの妻

太田惠資:カマール(バイオリン)

梅津和時:警察音楽隊(マルチリード)

星 衛:警察音楽隊(チェロ)

常味裕司:警察音楽隊(ウード)

立岩潤三:警察音楽隊(ダルブッカ)


【スタッフ】

原作:エラン・コリリンによる映画脚本

音楽・作詞:デヴィッド・ヤズベック

台本:イタマール・モーゼス

翻訳:常田景子

訳詞:高橋亜子

演出:森 新太郎


音楽監督:阿部海太郎

美術:堀尾幸男

照明:佐藤 啓

音響:井上正弘 けんのき敦

衣裳:西原梨恵(舞台芸術学科卒業生)

ヘアメイク:鎌田直樹

振付:新海絵理子

歌唱指導:石川早苗

稽古ピアノ:安藤菜々子

演出助手:伴・眞里子 玉置千砂子

舞台監督:小笠原幹夫


【イントロダクション】

降りるバス停を間違えた彼らは、果たして演奏会に間に合うのか!?

かつての敵国で迷子になった警察音楽隊の、とある一夜の物語。


2018年、米演劇界の最高名誉であるトニー賞授賞式は、異様な雰囲気に包まれた。その理由は、一本のミュージカルが、ノミネートされた11部門のうち、作品賞を含む10部門を独占したからである。その作品の名は『The Band’s Visit』。2007年に公開された映画「迷子の警察音楽隊」(カンヌ国際映画祭ある視点部門・国際批評家連盟賞、ジュネス賞、一目惚れ賞/東京国際映画祭・最優秀作品賞)を原作に、ミュージカル『ペテン師と詐欺師』の作曲家デヴィッド・ヤズベックが作曲と作詞を手掛けた作品だ。

トニー賞で10部門を独占したのは2006年の『ビリー・エリオット』以来の快挙だが、本作は大規模で派手な趣向のある作品というわけでもない。しかし、イスラエルに演奏旅行に来たエジプトの音楽隊が道に迷い、地元のイスラエル人と一晩交流をするというシンプルな物語の中に流れる、抒情的な空気と独創的な音楽は、得も言われぬ魅力を放つ。

この度上演が決定した日本版『バンズ・ヴィジット』の演出を手掛けるのは、第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞、第47回菊田一夫演劇賞を受賞した森 新太郎。古典から現代劇、近年では『パレード』や『ピーター・パン』とミュージカルの演出も務めている。先日発表された、第30回読売演劇大賞の2022年上半期に於いては、舞台『冬のライオン』『奇跡の人』で演出家賞にノミネートされている。

米国で本作が圧倒的な評価を得た背景には、楽曲や俳優陣の素晴らしさもさることながら、歴史的に対峙してきたエジプトとイスラエル二国の国民同士が、国境を越えて心を通わせるという、人間の本来あるべき姿を描いたメッセージが、時勢に即して人々の心に刺さったことが大きい。

世界中で平和への願いが強まるとき、本作が日本で観客にどのようなメッセージを届けるのか、目が離せない。


【ストーリー】

エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着した。彼らはペタ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するようにと招かれたのだった。しかし手違いからか、いくら待っても迎えが来ない。誇り高い楽隊長のトゥフィーク(風間杜夫)は自力で目的地に行こうとするが、若い楽隊員のカーレド(新納慎也)が聞き間違えたのか案内係が聞き間違えたのか、彼らの乗ったバスは、目的地と一字違いのベト・ハティクヴァという辺境の街に到着してしまう。

一行は街の食堂を訪れるが、もうその日はバスがないという。演奏会は翌日の夕方。食堂の女主人ディナ(濱田めぐみ)は、どこよりも退屈なこの街にはホテルもないので、自分の家と常連客イツィク(矢崎広)の家、従業員パピ(永田崇人)と店に分散して泊まるよう勧める。

トゥフィークとカーレドはディナの家に案内される。部屋でくつろいだ後、トゥフィークはディナの誘いで街をみて廻ることにする。レストランに入った二人は、音楽について語り合い、少しずつ打ち解けるが、ディナと関係を持つサミー(渡辺大輔)と彼の妻(友部柚里)が現れると、ぎこちない空気になる。

トゥフィークの筆頭部下のシモン(中平良夫)とカマール(太田惠資)は、イツィクの家に招かれる。義父のアヴラム(岸祐二)は共に食卓を囲んでもてなすが、イツィクの妻イリス(エリアンナ)は、誕生日に見知らぬ人たちを連れてきた夫に不満が募る。おとなしい楽隊員を前に話は弾まないが、話題が音楽のことに向くと、ようやく場がなごんで来る。

カーレドは外に出ると、店の前で待ち合わせをしているパピに出くわす。パピは、友人ツェルゲル(青柳塁斗)とその彼女アナ(髙田実那)に紹介されて、ジュリア(山﨑薫)と四人でデートをするのだ。カーレドは嫌がるパピに頼み込んで、一緒に街に連れ出してもらう。警備員(辰巳智秋)にすごまれながらも、スケート場で遊びはじめる五人だが、女性に慣れていないパピは、ジュリアを泣かせてしまう。カーレドはパピの指南役となり、手取り足取り彼女を慰めさせる。

公衆電話の前では、彼女からの連絡をひたすら待ち続ける電話男(こがけん)が立っている。店の外では、楽隊員たち(梅津和時、星衛、常味裕司、立岩潤三)が、思い思いに音楽を奏でている。言葉も文化も異なる隣国の人間達が交わる一夜が、更けていく。

迷子になった警察音楽隊は、果たして演奏会に間に合うのだろうか?