作品を仕事につなげるために、絵に値段をつけた
デッサンの先生に「あなたはおもしろい絵を描くから、大阪芸大がいいのでは」と勧められたこともあって、大阪芸大のデザイン学科に。周りには絵を描く人、デザインする人ばかりで刺激を受けたし、「ここで目立つためにはどうすればいいだろう?」と考えるようになりました。
途中からマーケティングコースを選んだのも良かったですね。自分の作品を仕事にするための実践的なことを学べたし、それはどんな仕事にも必要なことだと思うので。
個展を開くときも、作品には必ず値段をつけていました。売れるかどうかではなく、値段をつけないと“商品”にならないですから。立体作品を中心にフィギュアイラストレーターを名乗ったのは上京してからで、その前は京都の広告代理店にいました。就職活動のときは、好きなお菓子メーカーで「パッケージをつくりたいです」とアピールしたことも。その後、「きのこの山」のキャラクター(「きの山さん」)をデザインできたので、夢が叶ったということですね(笑)。
●デハラユキノリ 1974年、高知県生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒。ナイキ、タワーレコードなどの広告を手がける一方、作家として年間4~6回のペースで東京をはじめ台湾・香港・NY・LA・パリなどで個展を開く。明治製菓『きのこの山』のキャラクター「きの山さん」「たけ里ブラザーズ」のデザインや、いきものがかりベストアルバム『いきものばかり』のジャケットを担当するなど幅広く活躍している。