2021年秋、大阪に新しい白亜の城が生まれた。童話シンデレラや白雪姫、手塚治虫が生み出したサファイア姫、最近のディズニーアニメ「アナと雪の女王」… そう、城こそ、古今東西の人間の長い歴史の中で、豊かな物語を生み出す宝庫であり間違いなく、人とは何か?を見つめ、語られる場所であり続けてきた。そこには、幾多の夢が生まれ、希望が語られ、幾多の恋が咲き、愛がつぶやかれた。ときには、挫折があり、嫉妬や虚栄心という自問があり、諍いを勝ち残る姫たちの物語もあった。21世紀に大阪芸術大学のキャンパスに生まれた城は、キャラクター造形学科の校舎である。まさに人間を見つめ、人間を語るエンターテインメントを生み出す才能を育む城として生まれたのだ。これから10年、100年。この城は、何を物語っていくのだろう。株式会社海洋堂取締役専務・宮脇修一氏に、これから、この城が育てる未来への可能性と、夢の行き先を聞いてみた。
Photograph: Kazuyoshi Usui
Text: Mika Nakamura