木村吉成准教授が「公益社団法人 日本建築家協会(JIA)」の「第33回 JIA新人賞」を受賞されました(2022年1月)。木村先生は2003年にパートナーの松本尚子氏(大阪芸術大学卒業、京都芸術大学専任講師)と共に「木村松本建築設計事務所」を立ち上げられ、これまで数多くの住宅作品をメディアで発表、さまざまな賞を共同で受賞されています。
受賞作品「house S/shop B」は京都の白河通りに面する、修学院離宮近くの店舗兼住宅です。交通量の多い通り沿いの間口が広く奥行の浅い「逆うなぎの寝床」とも言える狭小の敷地に対し、間口14メートル、奥行2メートルというフットプリントを設定、立体的には道路・歩道に向けて大きく開く、木造ラーメン工法と金物工法をハイブリッドさせた特徴的な骨格を有する建築です。厳選された古書の販売と立ち飲み屋という店舗機能に加えて店主らが暮らすすまいでもあるその小さな建築は、竣工・開店から約5年経過した今では中心市街地から少し離れているにも関わらず、連日多くの人々で賑わう地域のランドマーク的存在となっています。
今回の受賞は木村先生がこれまでの設計活動において実践を続けられてきたテーマである「長い時間軸を有した周辺環境と呼応する、社会的ストックとなりうる建築」に対しての成果が評価されたものと言えます。なお、木村先生は本学建築学科の卒業生であり、栄えある「JIA新人賞」を受賞されたことは、誠に喜ばしい限りです。