WOWOW2時間ドラマ枠の2007年制作の劇映画で、私の監督作品では知る人の少ない一本だが、新型コロナウィルスの世界的流行時に改めて見ると興味深い。
新種の真菌によって黒い粉を含んだ咳で覆った手を黒くして死に至る黒手病が、じわりじわりと死者を増やしていくなか、監察医、感染症研究者たちが原因を究明し未知の感染症と戦っていくという山田宗樹原作の映像化。私が大阪芸大に就任した頃で、脚本に西岡琢也、音楽に栗山和樹と大阪芸大教授陣と組ませていただいた。
この真菌というのが、なんと聖徳太子、小野妹子の時代に渡来人が持ち込み大流行させたもの、それが1400年前の石棺から発見され現代に再生というのだが。本作だけでなくパンデミックを描いた映画は少なくない。
ただ、映画には終わりがあるが、現実では終わりが見えないというのがもどかしい。